2021年度、米国アラスカ産タラバガニ漁が26年ぶり禁漁へ

釜庄のアラスカ産タラバガニ 読み物
釜庄のアラスカ産タラバガニ

2021年9月4日の出来事。

その日は土曜日ということもあってゆっくりと出社したところ、会社の電話にたくさんの着信履歴が残されていました。

「前日発送した荷物に、何かトラブルでもあったか?」と思いナンバーディスプレイを確認してみると、取引のあるカニ製品メーカー、商社、問屋など複数社からの着信です。

折り返しの電話をする前にパソコンのメールボックスも確認すると、さらに他のカニ業者からもメールが届いており、「件名」ですぐにその理由が判明しました。

今年のアラスカ産タラバガニ禁漁です!

件名にこう書かれたメールにはひとつのpdfファイルが添付されており、アラスカ州漁業狩猟局(Alaska Department of Fish and Game・通称ADF&G)が9月3日に発行した、「2021/22 Bristol Bay Red King Crab Season Closed」というタイトルのプレスリリースでした。

メールの件名ですでにネタバレてますが、英語の苦手な私でもこれぐらいは訳せます。

ふむふむ「2021年度漁期のブリストル湾タラバガニ漁は閉鎖します。」って、まさかの禁漁かーい!

嘆きながら本文を要約してみると「ブリストル湾のタラバガニ資源について最終調査をしたところ、漁をできる基準値を下回っていると推定されるため、2021-22年漁期は閉鎖にします。」という内容で、アラスカ産タラバガニを最主力商品としている弊店にとってはまさに悲報中の悲報でした。

1995年以来26年ぶりの禁漁に

禁漁、禁漁と騒いでいますが、まずブリストル湾のタラバガニの禁漁はどれぐらいの頻度で行われているものなのでしょうか?

これがオリンピックのように4年に1度行われていることであれば驚きませんが、弊店でアラスカ産タラバガニの販売をはじめ10年以上になりますが、その間には一度もありません。

物知りなGoogleで検索してもなかなか古い情報は出てきにくいので、取引先で一番タラバガニに詳しい業者に聞いてみたところ、前回の禁漁は1995年ということで、なんと四半世紀以上前のことになります!

たしかに年々資源量が減っていて漁獲枠が小さくなっていることは承知していましたが、まさか今年このようなことになるとは思ってもいませんでした。

禁漁ということは新物が無いということ。

アラスカ州ベーリング海で行われるタラバガニ漁は、例年10月中旬から数週間という限られた期間のみ行われ、アメリカ政府によって厳しく管理もされています。

某国のように闇ルートで流れることもないため、禁漁の発表=新物(2021年度に水揚げされ冬の日本市場に出回る物)が無いことを意味します。

すでに米国内ではカニの需要増により在庫が枯渇していることから、前年度に水揚げされたヒネ物の輸入は期待できず、日本におけるアラスカ産タラバガニの流通は国内に残された在庫のみとなります。

国内在庫が蒸発!高騰を超え暴騰へ

旨みに違いがあることから、アラスカ産に比べ低価格であったロシア産やノルウェー産のタラバガニも、コロナ禍の品薄に加えこの度の米国の禁漁発表以降は1kgあたり1000円ぐらい程価格が高騰した印象です。

弊店では例年、その年の米国の漁獲枠が決まってから買い付け量を決めていくのですが、今期は禁漁の発表から日本国内のアラスカ産タラバガニ在庫が蒸発。業者さんが囲い込みをし、価格は高騰を超え暴騰してしまいました。

10年前の2倍近い売価へ

アラスカ産タラバガニを長年販売してきた弊店では、パイプもあってなんとか国内在庫の買い付けをできましたが、それでも昨年に比べ10~30%前後の価格上昇は避けられず、数量もまったく足りていません。

売価も今から10年前に比べてしまえば2倍近い価格になり、正直「高すぎる」と感じますが、資源価格の高騰や世界中で起きているミートショックのように、カニの価格もおかしな状況になっているのでしょう。(むしろアフターコロナでは、これがニュースタンダードになってしまうのかも?)

カニの買い手としては、勝ってもリスク、買わぬもリスクという恐ろしいシーズンを迎えておりますが、この価格につきましては何卒ご容赦頂きたいところでございます。

昨年物でも状態良好!

毎年アラスカ産のタラバガニをお求めであろうお客様から、「これは昨年水揚げの長期冷凍品ですか?」というお問い合わせがございましたが、正直に申し上げるとその通りで「昨年2020年に水揚げされた長期冷凍品」ということになります。

堂々と言うことではないのかもしれませんが、今年の水揚げがありませんので致し方ありません。

現代の冷凍技術は高いこともあり状態は良好に保たれていますが、少しでも安心して頂けるよう弊店で保管の在庫も開封し、グレーズ(商品の乾燥を防ぐ氷の膜)こそあるものの、霜がほぼない状態などを写真でご説明させて頂きました。

まさに売り切れ御免の数量限定販売

禁漁発表以降、10日に1回ぐらいの頻度でカニ業者にダメもとで「アラスカ産タラバガニ、隠してない?」と当たっているのですが、「あるわけないでしょう!」、「何回聞いても無いものは無い!」と門前払いされています(笑)

今年26年ぶりの禁漁なんだから、来年の水揚げは絶対大丈夫…などと思いこんでいますが、コロナ禍では当たり前が当たり前でなくなってしまうことが平気でおきてしまいましたからアンテナは常に高く持ち続けてまいります。

弊店では複数のモールに在庫を分けてはおりますが、隠さずすべて出品しています。

今年はまさに売り切れ御免の数量限定販売となりますが、お求めのお客様はどうぞお早めにご予約くださいませ。